何となく欲しくなって、触れる。
一度離れて視線を絡め、もう一度、今度はどちらからともなく重ね合わせる。
少しの間啄み合ったのちやがてぬるりとした侵入があり、それを迎え入れて丁重に持て成してやる。
吸いあって絡めあって、繰り広げられるのは小さな攻防。
相手をより悦楽と官能の底に引き摺り込んだほうが勝ち。
弱いところは知っているから、そこを攻めてやれば簡単に切なげな声を漏らす。
少しずつ熱を持ち始めた身体を抱きしめて引き寄せて逃げられないように捕らえて。
止めを刺そうとしかけたとき、ふと僅かな笑みを載せたような吐息が耳をかすめて、甘くとろけた熱が奥に隠れた小さな一点をつと撫でた。
途端頭が真っ白になってたまらなくなって抱きしめた身体をシーツの波に沈めてあとはもう夢中で貪って。
視界の端に甘い息を吐きながら満足げに笑うのが映る。

ああ、また負けた。

**Kiss**

多分テクニックとかその辺は蔵馬のほうが上(笑)
2006?


携帯...←戻
PC...ブラウザを閉じてお戻り下さい

inserted by FC2 system